2011年9月30日金曜日

第3回 i.school ワークショップ「未来のゲーム」概要・動画の紹介



第3回ワークショップは舞台を日本から韓国に移し,
i.schoolとID KAIST大学(Industrial Design専攻)とのコラボレーションで行われた.

KAIST大学といえば,韓国トップの理工系大学であることで知られている名門大学だ.
その学生との共同ワークショップは,7/25-7/30の5日間に渡り,
言語は全て英語で実施されるという非常に熱いものとなった.

テーマは「高齢者の外出を支援する」.

日本と韓国では高齢者の社会における認識・位置づけには,
多くの文化背景を共通点としてもつ一方で,
独自の時代の変化によって差異点も多く生まれた.
そしていま両国では「少子高齢化」という現象が共通して起きている.

本ワークショップでは「高齢者の外出」というテーマをめぐって,
東京大学i.schoolとID KAISTからそれぞれデザインフレームワークを用いた,
ハイブリッド型ワークショップで新たな切り口について考えていく.

そのフレームワークは,i.schoolから「スキット」と「Idea-Brokering」であり,
ID KAISTからは「DDP(Discovery Driven Prototyping)」という手法である.

また,今回のコラボレーションワークショップでは,
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
などの著者として知られる,
KAIST兼ノースウェスタン大学(米・イリノイ州)教授・Donald Normanを
ゲストに迎えワークショップ中のアドバイスから総括や講演までをしていただいた.
ノーマン先生はUser-Centered Design(ユーザ中心デザイン)の提唱者であり,
認知科学とデザインを結ぶパイオニア的な業績で世界的に著名でもある.

そして,再び動画も作成してしまった.
今回はいままでと違い,写真ではなく動画を編集して作成した.



本ワークショップは大まかに以下の日程で行われた.
DAY 1    ICE BREAK "TEAM SKIT"
DAY 1    DOWNLOADING FRAME WORK "IDEA-BROKERING"
DAY 2,3 DDP FRAME WORK "PROTOTYPING" -Prototype your idea-
DAY 4    DDP FRAME WORK "DISCOVERING" -Take the prototype to the user-
DAY 4,5 DDP FRAME WORK "DRIVING" -What is the new idea?-
DAY 5    SKIT PRESENTATION & LECTURE BY Pro. D. NORMAN

結論からいうと今回のワークショップは非常に多くの困難があった.

それはいままでの第1回と第2回のワークショップでは,
ファシリテータがある程度方法論として定まったデザインフレームワークを
紹介しながら進めていたが,今回のワークショップは,
まだ方法論として定まっていない(試作段階)のフレームワークを用いた上に,
さらにコラボレーションという試みであったためだ.

私も途中までは,全くプロセスが見えないことに毎日「モヤモヤ」ばかりしていた.
いったいなんのためにわざわざ韓国にきてるのだろうかとまで思ったときもあった.
しかし,その経験は自分にとって非常に重要なものとなった.

なぜならこういったデザインフレームワークが見えない状況にいることで,
「デザインフレームワークをただ学ぶ」という受け身的な姿勢から,
「デザインフレームワークを自分で理解する」,
つまり自分のものとして使えるようにする能動的姿勢に変わったからだ.

もしいままで通り非常にうまくできたデザインフレームワークばかりを目にしていたら,
きっとこのような姿勢の変化はなかったのではないだろうか.

i.schoolで重要なのは,教えられたものをただ使えるようにする力ではない.
教えられたものを自分のものとして使えるようにする変える力である.

そういう意味では今回の第3回ワークショップは,
自分にとってちょうど良いティピングポイントになったと思っている.

そんな山あり,谷ありであった今回の第3回ワークショップ.
できるかぎりやったことに加え,
自分のデザインフレームワークの理解の説明も合わせてしていきたいと思う.
特にDDPにおいてKAIST(一部)とi.school(自分)では,
プロセスの考え方が大きく違ったところがあり,そこをうまく紹介できればと思う.

繰り返すが,これは私自身が今回のワークショップを通し,感じ,
理解したことであり,考え方としてうまく整理できていなかったり,
ファシリテータとは別の見方をして紹介しているかもしれない.
そこは念頭におき,使えそうなところは参考にして読んでいただきたいと思う.

果たしてデザインフレームワーク「DDP(Discovery Driven Prototyping)」
とはいったいなんなのか?どう使うのか?そしてどこに困難が生じたのか?

では,第3回i.schoolワークショップ「高齢者の外出を支援する」
をいままでのワークショップの紹介と同様に
「東大生は...」シリーズで連載(全5回)するので,どうぞご期待を.

「東大生は日本と韓国の高齢者の特徴を共有した」第3回i.schoolワークショップ①へ続く...


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