2011年5月27日金曜日

チャンスのあるロードマップ策定へ.TMI技術ロードマッピング×未来洞察フレームワーク



先月i.school第1回ワークショップで,
未来洞察フレームワークによって作成する未来洞察シナリオを学んだ.
詳しくは,過去の「東大生は...」第1回i.schoolワークショップ①〜⑩を参照.

そしてこの未来洞察フレームワークを学んで感じたのは,
TMIで学んだ技術ロードマッピング策定演習と,
上手くマッチするのではないかということだ.
そこで今回はいかにこのi.schoolで学んだ未来洞察フレームワークを,
どうTMIの技術ロードマッピングに応用するかについて述べる.

TMIでは後期の授業に「技術ロードマッピング」という授業がある.
この授業演習では”技術ロードマップ”を単なるツール,
知識として理解するのではなく,実際に策定を試しみること.
そしてそれによって,そのプロセスの”肌感覚”を少しでも感じ,
将来技術経営戦略に関わる立場になった際の予備体験をする.

実際の企業(日系のIT企業,メーカー,大手ブレーキメーカー)を対象とし,
その企業あるいは特定分野(製品・サービスでも可)の
ロードマップ(市場-事業/製品-技術ロードマップ)を策定する.

この授業は非常に豪華で,
外部(インターネットなど)だけを情報源にするのではなく,
対象企業の執行役員の方と実際にヒアリングを行う場があるのだ.
そして,さらに最終発表では対象企業の執行役員の方から,
ロードマップについてコメントまでいただける演習になっている.
これによってただ外部情報だけの机上の空論にはなることを防いでいる.

その技術ロードマッピング演習だが,
私は自分のチームの最終アウトプットに少なからず反省をもっていた.
決してアウトプットとして悪いというわけではないが,
だた10年後の未来までロードマップを策定するのだが...
なんというか少し平凡な感じがする.

10年後の未来なのだから,もう少し飛躍をしてもいいのではないか?
もっとワクワクする未来を描くことにチャレンジしてもいいのではないか?
もっと大きな変化によるチャンスはなかったのか?
私は終わってからそう感じていた.

では,なぜ比較的平凡になってしまったのか?

TMI学生は非常に分析が得意で,線形的な予測をすることには慣れている.
しかし,10年後といった不確実性の高い未来を予測する経験は,
あまりやったことがなく,またどう発想すればいいのかわからない.

どうしても過去からの分析から始め,
線形的に未来を考える思考を働かせてしまうため,
アウトプットとしてのアイデアは現実味のある一般的なことになりやすいのだ.

一般的なアイデアが決して悪いというわけではない.
だが,i.schoolで学んだ未来洞察フレームワークを取り入れることで
大きなチャンスの未来を予測する.
そしてそこにTMI学生が強い分析をいれることで,
より高い実現性への修正や説得性を持たせることができるのではないだろうか.

そういう意味で,今回紹介した未来洞察フレームは,
i.schoolでない人たち(TMI生や技術者など)にとっても非常に重要だと感じる.
少なくとも私は両方を経験してそのように感じた.

こういう風に私はi.schoolで学んでいることとTMIで学ぶことは,
お互いを上手く補っているように思えるのだ.


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