2011年4月15日金曜日

「妥当な組み合わせでなく」,「意外な組み合わせ」を考える.i.school春のシンポジウム「イノベーションは学びのプロセス」①




先週の日曜日に東京大学i.schoolの春のシンポジウム
「イノベーションは学びのプロセス」に参加してきた.
今回,参加して印象に残ったことを述べようと思う.

世の中の問題の傾向を発見し,そのを解を導こうとする.
これはつまり「ニーズ」から考えるということだ.

たとえば,「お客様がこういうことが欲しい」に着目すること.

【問題の傾向】 → 【ニーズ】 → 【解】

逆に,解の傾向から問題を解決しようとすることを「シーズ」という.
たとえば,「企業がこういうことを提供したい」に着目することである.

【問題】 ← 【シーズ】 ← 【解の傾向】

ここでi.schoolが目指しているのは,両方を同時に行うこと.
つまり,ニーズとシーズの両方を同時に行うことである.
その新結合にこそイノベーションがある.

【問題の群】 → 新結合 ← 【解の群】

このときニーズとシーズの「妥当な組み合わせ」ではなく,
「意外な組み合わせ」を考えること.
それこそi.schoolがいまチャレンジしようとしていることだ.

そしれその意外な組み合わせをし,イノベーションを起こすためにi.schoolでは,
以下の3つのステップを重視している.

①理解する → ②創造する → ③実現する

1. 理解する(Understanding) 
そのニーズ,シーズを私たち知っているつもりになっていないだろうか.
理解するということは,実は私たちが考えている以上にものすごく大切だ.
そのときも深く入ること.これが非常に重要.
実際に人々の生活に入り込む.肌で感じ取る.
これによって「知っているつもりを無くす」,「発想のインスポレーションを得る」
i.schoolではその理解する手法として,

エスノグラフィー(Ethnography),未来予測(Fore-sighting)などを行っている.

2. 創造する(Creating) 
続いて,理解から創造するところだ.
ここではその案を評価などをせずに自由に出しいくことが重要だ.
案が出る度に評価を下していては,評価を恐れ,自由に発想ができなくなる.
意外な組み合わせを創造するためには,こういった場も必要である.
創造する手法としては,Scenario Writing, Prototypingなどがある.

3. 実現する(Realizing)
イノベーションを考えるうえで一番重要なのがこの実現する段階だ.
世の中に根付かないとイノベーションにはならない.
なぜならイノベーションは結果論であるからだ.
そして世の中に変化を持たせて,初めてイノベーションとなる.
そういった意味で,創造とは少し異なる.
どうやって実現するのか?どうやって社会で成立させるのか?
それを考えるのである.

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